海苔の専門メーカーとして創業した大森屋は、グルメ志向、健康志向といった時代のニーズに合わせて、海苔商品の充実はもちろん、周辺商品の開発にも積極的に取り組んでいます。「おいしさと健康」にこだわる商品づくりが、創業以来変わらぬ大森屋の企業姿勢です。
海苔には色・旨味・香り・つやなど“おいしさ”を構成する要素がありますが、これらの要素は産地と海苔生産者の腕によって左右されます。
生産者によって板海苔(21×19cm)に加工された海苔は、地元の漁協に運ばれて検査を受け、品質の格付けである「等級」が決定されます。格付けは、色・味・香り・形・重量・品質などの項目を検査され、優・特・1〜7等までの等級が付けられます。等級付け後に集荷された海苔は、その後入札によって価格が決定されます。
大森屋では、原料の板海苔を仕入れる際には、海苔産地の過去からのさまざまな実績やデータ、専門スタッフによる等級鑑定などを総合して、弊社が設定する一定の品質以上のものだけを仕入れています。
こうして厳選された板海苔は、工場でさまざまな商品へと加工されますが、良い海苔はどんな商品に加工されても、味が違います。口に含むと柔らかくすぐに溶け出し、磯の香りと同時に様々な旨味成分が口いっぱいに広がります。大森屋の海苔製品は、そんな選りすぐられたこだわりの素材からつくりだされた逸品です。
大森屋は「消費者的視点に立った企業」であることを理念に、お客さまに愛される製品を提供し続けることにこだわり続けています。海の栄養がいっぱいつまった海苔製品を通じて、お客さまに提供できるモノ・コトは何かを考え、さまざまな喜びのカタチを、商品開発を通じて提案していきたいと考えています。
海苔が持つ特長とは何でしょうか――。第1に海苔は、日本人の主食であるお米の味を引き立てる食材の代表格であり、日本人の舌に最もなじみのあるおいしい食品です。第2に海苔は、栄養バランスのとれた優れた食品です。ビタミンが豊富に含まれていて、その含有量は海藻類の中ではトップ。特に話題の栄養素である葉酸の含有率は全ての食品中でNo.1です。また、ビタミンCはレモンをしのぐほどの豊富さです。第3に、肥満が気になるダイエット中の方にも安心な、低カロリー食品です。海苔の炭水化物は食物繊維が多く不消化なので米などの糖質のようにカロリーにならず、脂肪も少なく、肥満、カロリー制限の方に最適です。
このように海苔製品は、グルメ志向、健康志向、ダイエット志向といった時代のニーズにぴったりの特性を持った理想的な食品です。大森屋では、そんな海苔の本質的な価値を引き出すことができる商品を開発していきたいと考えています。
コンビニで最も売れる食品である「おにぎり」に欠かすことができない海苔は、今後も底堅い需要を維持し続けていくことが予測されます。大森屋では、そういった安定的な市場のみにとどまることなく、つねにチャレンジする姿勢を大切にしています。
商品開発では、多様化・個人化する生活者ニーズに合わせ、“食卓からの発想”をベースにしたマーケティング活動を通じ、さまざまな可能性を模索しています。種々のマーケットリサーチから抽出されたアイデアをもとにテスト商品を開発し、奥様モニター制度を通した試食会で、味覚面での検証を行っています。こうしたトライアルの積み重ねにより、春と秋の年2回、新商品発表会を行っています。
これからも私たちは、「海苔の大森屋」にとどまることなく、総合食品メーカーとして、時代のニーズに合った新しい食の提案に努めていきたいと考えています。
大森屋の新商品開発は、“となり村作戦”と呼ばれます。いきなり異次元の食品を開発するのではなく、大森屋が得意とする商品ジャンル、量販店などの海苔売場周辺にある商品をテーマに、新商品開発にこだわっていこうというコンセプトです。時代ニーズにマッチした、大森屋らしい新商品づくりに取り組んできた結果、ふりかけやお茶漬けのもとなど、大森屋ブランドのさまざまな新商品が誕生してきました。
とりわけヒット商品として注目を集めたのが、健康に良いとされる緑黄色野菜と海苔を組み合わせた「緑黄野菜ふりかけ」(野菜7種類)です。平成6年の発売以来販売数を伸ばし、平成23年にはご好評にお応えして「緑黄野菜ふりかけ」(野菜12種類)にバージョンアップするほどの人気商品へと成長しています。
このほかにも、スープなど、独自の開発商品はジャンルの幅を広げ、海苔製品以外の新規商品部門として成長を続けています。もちろん、海苔を主体とした従来商品でも、より便利に、よりおいしくをキーワードに研究を進め、ちょっとした工夫が新しい、時代にマッチした新商品として市場に送り出しています。